- Webエンジニアについて知りたい。
- Webエンジニアの仕事内容や年収について知りたい。
- Webエンジニアの人数が増えていると聞くけど、まだ将来性はあるの?
Webエンジニアという言葉を聞いたことがあっても、どのような仕事なのか分からず、大変そうなイメージしか持っていない人は多いです。
さらに将来性がないと不安を抱える人もたくさんいます。
実際にたくさんの人がWebエンジニアとして新たに活躍し始めています。
私はIT企業でエンジニアリングマネージャーを任せられ、Web開発もマネジメントも行っています。
日々活躍するWebエンジニアを見て、今後は今以上に必要とされる職業であると確信しています。
この記事では、Webエンジニアとは何かを徹底的に解説します。
この記事を読むと、Webエンジニアとは何か理解が深まり、最も将来性のある職業であることが理解できます。
結論は、私たちの生活をより便利に、より豊かにするのがWebエンジニアであり、今後も必要とされる重要な存在ということです。
Webエンジニアとは?
Webエンジニアとは、WebサイトやWebサービスなどのWebシステムを設計・開発・運用するエンジニアのことです。
最近よく耳にするようになった「SaaS」を開発するのもWebエンジニアです。
SaaSとは「Software as a Service」の略です。
SaaSと書いて「サース」または「サーズ」と読みます。
SaaSはインターネットを通じてサービスを提供する手法のことで、Webサービスの一つです。
私たちが利用する多くのサービスにSaaSが使われており、市場も拡大傾向にあります。
Webエンジニアは、私たちに身近なWebシステムに携わることが仕事となります。
私たちの生活を豊かにするWebサービスとは?
Webサービスとはブラウザで利用することができるサービスのことです。
Webサービスはプライベート、ビジネスに関わらず世界中で利用されています。
Webサービスが利用されるシーンはたくさんありますが、身近なものを紹介します。
以下のようなサービスを開発しているのがWebエンジニアであり、重要な存在であることが理解できます。
例)コミュニケーションを豊かにするWebサービスを作るのはWebエンジニア
コミュニケーションを豊かにするサービスには、LINE、Twitter、Facebook、Instaram、Slack、チャットワークなど非常に多くのサービスがあります。
これらをアプリで利用する人も多いと思いますが、ブラウザでも利用することができます。
いつでもどこでも繋がるため、リアルタイムのコミュニケーションができるようになっていて毎日使う人も多いのではないと思います。
身近になりすぎて便利さに気づかない可能性もありますが、もし使っているサービスが無くなった思うと不便さをイメージできるのではないでしょうか。
最近ではコロナの影響からリモート会議も身近になりましたが、ZoomやSkypeなどのビデオ通話アプリもあります。
技術の進歩とともにWebサービスは私たちの生活を豊かにしつづけてくれているのです。
例)お金の管理を楽にしてくれるWebサービスを作るのもWebエンジニア
お金の管理では家計簿や会社の経費管理などがあります。
お金の管理は非常に面倒でノートや手帳など紙で管理するのは非常に煩わしいです。
家計簿管理だとマネーフォワードやfreeeといったWebサービスを使えばブラウザ一つで簡単にお金の管理をすることができます。
会社の経費管理だと、最近はCMでもよく見かける楽楽精算、ジョブカン経費精算といったWebサービスがあります。
これらサービスはSaaSと呼ばれるサービスで、Web系では今後最も成長が見込まれる業界です。
紙で管理することからデジタルで管理することになり、時間の節約につながることから私たちの生活を豊かにしてくれるサービスと言えます。
Webエンジニアの仕事内容
私たちの生活を豊かにしてくれるWebサービスを作るWebエンジニアはどのような仕事なのでしょうか。
Webエンジニアの主な仕事はシステム全体の設計、開発、運用を行うことです。
Webのシステムは作って終わりではなく、より長く使い続けるために改善や運用が必要です。
Webエンジニアは作るだけが仕事ではなく、利用者がより快適に使い続けることができるようにすることも大事な仕事なのです。
設計、開発、運用がどのような仕事か以下に具体的に説明します。
Webシステムの「設計」とは何を作るか決める業務
どのようなWebシステムを作るかを決めることを「設計」と呼びます。
設計はプログラミング言語を使って開発に入る前に行う重要な工程です。
設計は大きく分けて2つあり「要件定義」と「概要設計」です。
要件定義はなぜWebシステムが必要なのか、どのようなWebシステムが必要なのかを定義します。
要件定義をしっかり行わないと、作った後に思っていたものと違うことに気づき、作り直しが発生しやすくなります。
Webシステムをなぜ作るのか、目的を決めることが「要件定義」と覚えておけば良いです。
要件定義が終われば「概要設計」に移ります。
概要設計は、要件定義に基づいて開発するシステムに必要な機能を洗い出し、システムとしての具体的な仕様を決める工程です。
概要設計は基本設計と呼ばれることもありますが、同じことを指しています。
概要設計では作る機能、作る画面などを決めるので完成系のイメージが具体的になります。
Webエンジニアは設計工程で、このような重要なステップを踏んでから開発に入ります。
Webシステムの「開発」とはプログラミングとテストがメイン業務
設計が終わればプログラミング言語等を用いて開発を行います。
概要設計で決めたことに基づいて、実際にプログラミングを行う工程となります。
作る過程において、設計の間違いや仕様の検討漏れに気づくこともあれば、仕様変更を求められることもあります。
そのためWebエンジニアは急な変更にも対応するため、柔軟な設計や対応が求められます。
近年ではアプリケーションが複雑化するため、ウォーターフォールとしての進め方だけでなく、スクラム開発などのアジャイルな進め方が好まれるようになっています。
ウォーターフォールとアジャイルのどちらが優れているということではなく、状況に応じて適切な手法を選ぶ、使い分けができるようになることが優れたエンジニアと言えるでしょう。
Webシステムの「運用」とはリリースしてから行う業務
Webシステムの運用とは、システムの監視、トラブル対応、システム全体のバージョンアップなどメンテナンス作業を行うことです。
Webシステムはいつでも、どこからでもアクセスできるようにしておく必要があります。
つまり24時間365日動かし続けなければなりません。
しかしWebシステムを構成するサーバーやネットワークには様々な精密機器が利用されているため、突然故障する可能性があります。
システム全体に異常が無いか監視し、故障したら素早く対応できるようにすることが運用では必要です。
残念ながら機器の故障をなくす事はできませんが、故障時間を短くすること、究極的には故障時間をゼロに近づけることが安定したサービスを提供することにつながります。
故障がなくても、OSのバージョンアップや、ミドルウェアのバージョンアップは日常茶飯事です。
システムを安定稼働させるために、OSやミドルウェアを最新に保つことも運用で求められます。
Webエンジニアの種類
Webエンジニアに求められる技術は、ブラウザ側で動作するフロントエンド技術、サーバー側で動作するバックエンド技術、サーバーやネットワークを構成するインフラ技術があります。
最近では作るシステムやサービスが複雑化してきているため、フロントエンド、バックエンド、インフラを別々のエンジニアが担当し、専門性を高めやすくなっています。
そして専門技術を身につけたエンジニアを、フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニア、インフラエンジニアと呼んでいます。
それぞれどのようなエンジニアか見ていきましょう。
フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアとは、SafariやChromeなどのWebブラウザに表示する部分を作るエンジニアです。
つまり、ユーザーが操作する画面を作ることが主な役割となります。
見やすい画面、操作性の高い画面を作ることが求められるため、ユーザーインターフェース(UI)や、ユーザーエクスペリエンス(UX)を設計することが必要となってきます。
Webブラウザに表示する部分を作るためにHTML、CSS、JavaScriptといった技術を使います。
特にJavaScriptを使う頻度が多いため、重点的に身につけておくべき技術です。
バックエンドエンジニア
バックエンドエンジニアとは、サーバーで動くプログラムを開発するエンジニアです。
ブラウザから送られてくるデータを処理したり、データベースに保存されているデータを操作したりします。
ユーザーから見えない裏側の部分をバックエンドと呼びますが、その担当範囲は広く様々な知識が求められます。
バックエンドエンジニアは企業やサービスの根幹とも言えるシステムを担当するため、深く関わることで長く働き続けることができます。
サーバー側のシステムを作るためにJava、PHP、Ruby、Pythonなどのプログラミング言語を使って開発します。
1つのシステムで複数のプログラミング言語を使うことは多くありません。
しかし、いろいろな開発案件に携わるためには2つ以上のプログラミング言語を身につけておくのが良いです。
データベースを操作するためにはSQLと呼ばれる言語を使います。
ほとんどのシステムでデータベースを使うのでSQLは必須で覚えておくべき技術の1つです。
バックエンドエンジニアはシステム全体に関わることが多いため、1つのシステムを作り上げることができた時の達成感は大きくなります。
インフラエンジニア
インフラエンジニアとは、サーバーやネットワークを設計、構築、運用するエンジニアです。
サーバーで動くプログラムが動作する最適な環境を構築するため、サーバーの設置、ネットワークの構成、OSのセットアップなどを行います。
社外からアクセスできるサーバーの場合、不正アクセスを防ぐために高いセキュリティが求められます。
セキュリティ技術はインフラエンジニアの重要なスキルとも言えます。
最近ではAWSやAzure、Google Cloudといったパブリッククラウドと呼ばれるサービスを使う企業が増えています。
パブリッククラウドはIaaS(イアース)とも呼ばれます。
パブリッククラウドを使う場合、物理的なサーバーやネットワーク機器などのハードウェアに触れる必要はありません。
全てコンソールと呼ばれるWebアプリを使って操作します。
ハードウェアに触れる必要はありませんが、機器の構成やネットワークの構成、セキュリティについて知らないと設計や構築することができません。
パブリッククラウドを使うか使わないかに関わらず、サーバー周りの技術は必須となります。
インフラエンジニアがいないとサービスや機能を提供することができないため、そのシステムが存在している限り必要な役割と言えます。
Webエンジニアの年収
Webエンジニアはまだまだ新しい職種のため、20代〜30代の若手がたくさん活躍する職種です。
多くのサイトで紹介されている年収を見てみると、年齢を重ねるごとに年収が上がっています。
経験を積めば年収が上がるのでいかに早くWebエンジニアとして働き始め、しっかりと経験を積むことが重要と考えられます。
サイトごとに紹介されている年収を見ると以下のようになります。
dodaに紹介されている平均年収
年代 | 平均年収 |
20代 | 356万円 |
30代 | 495万円 |
40代 | 579万円 |
求人ボックスに紹介されている平均年収
年代 | 平均年収 |
20代 | 339万円〜445万円 |
30代 | 533万円〜573万円 |
40代 | 621万円〜651万円 |
マイナビエージェントに紹介されている平均年収
年代 | 平均年収 |
20代 | 313万円 |
30代 | 457万円 |
求人ボックスに紹介されているエリア別平均年収
エリア別に年収を見ると、東京、大阪などの都市部では年収が比較的高い傾向になっています。
それ以外では450〜470万円ほどとなり、地方間での年収の開きはそれほど大きくありません。
エリア | 平均年収 |
北海道・東北 | 450万円 |
甲信越・北陸 | 450万円 |
関東 | 518万円 |
東海 | 470万円 |
関西 | 495万円 |
中国 | 462万円 |
四国 | 473万円 |
九州・沖縄 | 454万円 |
Webエンジニアの将来性はまだある?
私自身、Webエンジニアの将来性は高いと考えていますが、以下の理由から将来性に疑問を持つ方がいます。
- プログラミングができるだけのエンジニアは不要になるのでは?
- 歳をとると仕事がなくなるのでは?
- 海外のエンジニアに勝てないのでは?
このような疑問を持つ理由と、それに対する対応について以下に解説します。
プログラミングができるだけのエンジニアは不要になるのでは?
プログラミングしかできないエンジニアは将来不要になる可能性が高いです。
なぜプログラミングしかできないエンジニアが不要になるのでしょうか。
皮肉にも技術の進歩が影響しています。
最近ではプログラミングをより便利にするツールやフレームワーク、環境が整っています。
その便利さは常に進化しており、プログラミング初心者であってもアプリケーションを作るのが楽になってきました。
さらにプログラミング知識がほとんどなくてもアプリケーションを作ることができるツールやサービスとして、ローコードやノーコードと呼ばれるものが登場しています。
ローコードとはプログラミングを1から作るのではなく、再利用可能な機能(部品)を組み合わせてアプリケーションを作る開発手法です。
プログラミングの知識はある程度必要ですが、初心者でも十分に扱えるものです。
ノーコードとは最初から用意されたテンプレートを組み合わせてアプリケーションを作る手法です。
ノーコード(No Code)というだけあってプログラミングは不要のため、エンジニアでなくてもアプリケーションを作ることができます。
このようにプログラミングスキルがなくてもアプリケーションを作れる時代になってきているため、プログラミングしかできないエンジニアはローコードやノーコードに仕事を奪われる可能性があります。
そのようにならないためにも、新しい技術を常に追いかける努力、プログラミング以外のスキルを身につける努力が欠かせません。
常に勉強し、成長し続けることができれば周囲から必要とされるエンジニアになれますので、学習意欲や成長意欲の高い人は特に心配する必要はないでしょう。
歳をとると仕事がなくなるのでは?
これはある意味真実でもあり、間違いでもあります。
年齢をとると若いエンジニアと比較された時に、気力も体力も優れる若者と比較されると若者が有利です。
同じ土俵で戦っても勝ち目はないので、仕事が奪われると思えばそうなるでしょう。
しかし歳をとってから勝負するのは気力でも体力でもなく、知識と経験で勝負するべきでしょう。
若いうちはなかなか経験できないことも、ベテランエンジニアは経験しているため困難を乗り越える知識として身につけています。
そして社会はそれを若手に教育し、育てることを期待されています。
若いうちから多くのことを経験し役立つ知識として蓄え続けることが、歳をとっても活躍し続けるエンジニアの秘訣です。
これはエンジニアに限った話ではなく、どこの業界でも同じでしょう。
歳をとると仕事がなくなるというのはエンジニアだから特別なことはありません。
仕事をしていく限り必要なことなのです。
前進あるのみです。
海外のエンジニアに勝てないのでは?
海外のエンジニアの技術力は高まり続けています。
アメリカのエンジニアの技術力が高いと聞くと納得できる人も多いと思います。
しかし、アメリカだけでなくベトナムやフィリピンなどの海外エンジニアの技術力に注目するべきです。
オフショア開発と言って単価の安い海外のエンジニアを使って開発する手法が多くの企業で採用され始めています。
単価は日本人より安いですが、技術力は日本人に肩を並べるほどに成長しているため、エンジニア不足を補うための有効な戦略となっています。
単価の安い国と言っても、中には月50万円〜70万円ほどを稼ぐエンジニアもいて、日本人より技術力が高いと評価されているとも考えられます。
Webエンジニアは日本国内だけでなく、海外のエンジニアとも勝負しなければなりません。
このような状況でも勝ち続けるには自身の強みを認識し、伸ばしていく必要があります。
私自身もアメリカ含め海外のエンジニアと仕事をしてことがありますが、日本人の技術力はまだまだ世界に通用するレベルだと思っています。
さらに行き届いた品質に対する考え方は世界トップレベルではないかと思います。
私たちは自信を持って成長していけば良いのです。
海外のエンジニアに勝てないと思っている人が勝てるはずがありません。
また海外との競争は今やどの業界でも起こり得ることなので、海外との勝負を避けること自体が不可能です。
Webエンジニアは厳しい世界と思われるかもしれませんが、伸びている市場の中でしっかりと成長できる業界なので飛び込んで損のない世界だと思います。
このブログを読んでくれている皆さんにはぜひチャレンジしてもらいたいと思っています。
むしろこの記事をここまで読んでいる人はエンジニアを目指す素養をお持ちなのではないかと思います。
そもそも人材不足でエンジニアの需要は高まるばかり、今がチャンス!
2019年に政府が発表した「IT人材需要に関する調査」によると、2030年には45万人ものIT人材が不足する予測されています。
人材が不足するということは需要と供給のバランスが崩れるため、価格が大きく変化します。
今まさに需要が供給を上回っている状況がおきています。
つまり、人材獲得のために給与水準を引き上げようとする動きがでてきます。
2022年7月に話題になったサイバーエージェントの「初任給42万円」というニュースは多くのメディアで取り上げられました。
Yahoo!Japanの下記記事にあるようにIT人材が不足しており、これからもその流れは続くことが予想されます。
エンジニアは常に求められる職業とも考えられるため、将来性については心配する必要はないでしょう。
まとめ
Webエンジニアは私たちが普段利用するサービスを開発するエンジニアです。
Webシステムが発展するとともに私たちの生活は豊かになってきました。
そしてこれからも私たちの生活は豊かになり続けると思います。
私たちの豊かさの裏にはWebエンジニアの活躍が大きいです。
そのためWebエンジニアは今最も必要とされる職種の一つであり、将来の伸び代も大きいことは間違いありません。
Webシステムがなくなることはないでしょう。
そしてこれからも豊かになり続けると思います。
私たちの生活を豊かにするWebエンジニアは将来性のある職業です。
Webエンジニアになることを考えている人は、ぜひその一歩を踏み出してください。
当ブログでは技術や学習に関する情報も発信しています。
まだ疑問をお持ちの人はほかの記事も読んで疑問を解消してみてくださいね。
以下の記事ではWebエンジニアになるためのロードマップを詳しく解説しています。
どのように進めるか理解できるので、計画も立てやすくなっています。